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Braze活用によるCRM施策の仕組み化事例|運用定義書の整備で属人化を解消したエンタメ系企業の取り組み

2025.07.31

Braze活用によるCRM施策の仕組み化事例|


マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入しても、「活用しきれない」「属人化してしまう」「施策の継続性が保てない」そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

今回ご紹介するのは、あるエンタメ系企業様において、Braze(MAツール)を活用したCRM施策を「誰でも運用できる状態」へと整備するために支援した事例です。施策設計の標準化、シナリオの型化、ツール操作の明文化までを網羅した「運用定義書」の整備を通じて、継続的かつ再現性ある運用体制の構築を実現しました。

※クライアント名は非公開とさせていただきます。

課題
  • MAツールの運用ノウハウが社内に蓄積されていない
  • 単発施策を都度運用しており、横展開可能な鉄板シナリオが存在しない
  • デジタルマーケティングに関する企画立案人材が不足
  • ABテストやコントロールグループによる効果検証が十分にできていない
効果
  • 施策の型化による汎用シナリオの整備
  • 属人化の解消とチーム運用への転換
  • ABテストやコントロールグループ設計の内製化
  • オンボーディング効率の向上

背景と課題:ノウハウ・リソース不足による機会損失と運用負荷の増大


対象となるエンタメ系企業様は、ECサイト(Webサービス)を展開されており、ユーザー接点を強化するためにBraze(MAツール)を導入されていました。しかし、導入から一定期間が経過したにも関わらず、以下のような課題が顕在化していました。

・Braze(MAツール)の運用ノウハウが社内に蓄積されていない
 → Webサイト運営担当メンバーがBraze(MAツール)に直接入稿・運用できる体制になっていない

・IPごとの単発施策を都度運用しており、横展開可能な鉄板シナリオが存在しない
 → サービス内の定型フローが整備されておらず、機会損失が生じていた

・デジタルマーケティングに関する企画立案人材が不足
 → コンテンツや配信タイミングはわかっているが、構造化して運用に落とし込む力が足りない

・ABテストやコントロールグループによる効果検証が十分にできていない
 → 運用の改善や上申のための根拠が乏しい

結果として配信が一部の担当者に依存し属人化が進んでしまっている状況だったため、「誰でも入稿・運用できる状態」を実現するための運用ルール・ナレッジの整備が必要となりました。

支援内容:「運用定義書」によるナレッジの構造化

弊社では、まず現状の課題・理想状態を整理したうえで、運用ナレッジを再現性ある形で整備する「運用定義書」を策定することをご提案しました。

運用定義書の目的

  • 属人化の解消
  • ナレッジの社内定着
  • 事業部単位での自走運用体制の確立
  • 新メンバーやパートナーへのオンボーディング効率化
  • 施策の横展開・汎用化による機会損失の防止

運用定義書の構成

以下は、実際に策定した運用定義書の目次構成です(抜粋)。

章立て内容
1. 本書の目的と範囲なぜこの定義書を作るのか/誰が使うのか
2. サービス概要提供サービスやプロダクトの構造・役割
3. CRM/グロースマーケティングとは?顧客との関係構築とLTV最大化の視点
4. MAツールとは?ツールの役割・できること
5. CRM方針配信戦略・主要KPIの方針整理
6. CRM施策運用配信チャネル別ルール(Push/In-App/メール)
7. CRM施策設計と管理施策リストの管理・シナリオ設計手順
8. ツール操作方法実際の入稿・セグメント作成・配信設定方法
9. 施策実施の落とし穴やTIPSABテストや配信制御に関する知見の共有
10. リソーステンプレートリンク・チェックリスト・参考資料一覧

特に重要なのは、「7.CRM施策設計と管理」「8.ツール操作方法」「9.施策実施の落とし穴やTIPS」の3セクションで、実際のCanvas設計に即したステップや、担当者が迷いやすいポイント、失敗しやすい落とし穴を重点的に盛り込みました。

取り組みプロセス:柔軟な制作進行

運用定義書の策定は、以下のプロセスで進めました。

1.スプレッドシートによる構成案の作成と合意形成
 → 必要なセクション・セクションごとに必要情報を整理し、クライアントと認識をすり合わせ

アウトプットイメージ

2.PowerPointでのドキュメント化
 → 現場での活用を想定し、視覚的に整理されたスライド形式で納品(今回の企業様では100ページを超えるドキュメントを作成)

アウトプットイメージ

※ご要望に応じて、クライアント様にあわせたフォーマットやNotionでの作成・ご提供も可能です。

3.レビュー・フィードバックを経て完成
 → 実際の業務フローに即した表現へ随時アップデート

支援の成果:再現性と効率を両立した運用体制へ

運用定義書の導入により、次のような具体的な成果が得られました。

・施策の型化による汎用シナリオの整備
「ユーザーの行動→配信訴求→次のアクション喚起」といった定型シナリオをテンプレート化し、毎回ゼロから設計する必要がなくなりました。

・属人化の解消とチーム運用への転換
メルマガ担当者や委託パートナーでも、入稿から配信設定まで対応可能となり、特定メンバーへの依存が解消されました。

・ABテストやコントロールグループ設計の内製化
施策効果を数値で把握する土台が整い、改善サイクルを回せるようになりました。

・オンボーディング効率の向上
新規担当者が定義書を参照することで、短期間で業務にキャッチアップ可能となり、組織的なナレッジの資産化が進みました。

クライアント企業内では「これまで何となくやっていた運用が、やっと整理できた」「新メンバーや他部署との連携もしやすくなった」といった声も聞かれ、組織的な運用体制構築に貢献できました。

おわりに:ツールだけでなく、「仕組み」から支援する

今回の事例では、MAツールを「誰でも使える状態」にするために、ツール操作の支援に留まらず、ナレッジやルールを整備するところまでご支援しました。

弊社のプロフェッショナルサービスでは、MAツールや分行動析ツールといったツールの導入・運用支援だけでなく、企業が抱える共通課題──属人化、運用フローの未整備、ナレッジの未蓄積といった課題解決も対応可能です。

「MAツールを導入したが、思ったほど活用できていない」「社内で使いこなす仕組みを整えたい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

>>MAツール運用のご相談はこちら

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