
BtoCビジネスにとって、顧客との接点を効率よく管理し、それをもとに効果的なマーケティングを行うためにMA(マーケティングオートメーション)ツールは欠かせない存在です。しかし、膨大な数のツールがある中で、自社にぴったりのMAツールを選ぶのは簡単ではありません。
本記事では、BtoCビジネスの特徴とMAツールが重要な理由、導入することで得られる具体的なメリット、さらにBtoC向けのMAツール選びで押さえておきたいポイントを詳しく解説します。国内外で人気の高いMAツールを11つ厳選して紹介し、導入前に気をつけたい注意点にも触れていきます。
効果的なマーケティング施策を実現するために、ぜひ本記事を参考にして自社に最適なMAツールを見つけてください。
BtoCにおけるMAツールの重要性
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、企業がマーケティング施策を効率的に進めるためのサポートをするツールで、特にBtoCビジネスにとっては顧客データを蓄積し、顧客一人ひとりに合わせたアプローチで満足度を高める上で重要な役割を担います。
ここでは、MAツールの基本的な役割や、BtoC企業にとっての重要性、さらにBtoBとBtoCでの使い方の違いについて詳しくご紹介します。
MAツールの役割とは?
MAツールの役割は、企業と顧客とのコミュニケーションを効率化し、自動化することでマーケティング施策を効果的に進めるサポートをすることです。
例えば、見込み顧客の情報を管理し、最適なタイミングでアプローチできるリード管理機能を活用すれば、適切なタイミングで顧客にアプローチできます。また、顧客の行動データに基づいてパーソナライズしたメッセージを届けることで、顧客の興味関心に沿った対応が可能です。
さらに、メール配信も自動化されているため、定期的なフォローアップやプロモーションが簡単に行え、顧客との関係構築を強化できます。加えて、顧客の行動データを分析して、購入意欲を高めるための施策も提案でき、これまでのように人手に頼ることなく、マーケティング活動を大幅に効率化できるのが特徴です。
こうしたサポートにより、企業はマーケティングリソースを最適化し、戦略的な施策に集中できるようになります。
BtoC企業にとってMAツールが重要な理由
BtoC企業にとって、顧客のニーズや関心は非常に多様で、それに応じた柔軟でパーソナライズされた対応が求められます。
MAツールを導入することで、顧客の行動や興味を細かく把握できるようになり、精度の高いターゲティングが実現し、顧客一人ひとりにぴったりのアプローチが可能になります。
また、MAツールは定型的な作業や繰り返し行うタスクを自動化してくれるため、マーケティング担当者はより戦略的な業務に集中できます。リソースを有効活用しながら、購入意欲の高い顧客にタイムリーにアプローチできるため、売上向上も期待できるでしょう。
MAツールは、BtoC企業が顧客対応の質を高め、業務効率を大幅に改善するための欠かせないツールと言えます。
BtoCビジネスの特徴
BtoCはBusiness to Consumerの略で、一般消費者、個人にサービス提供するビジネスモデルです。BtoCと対比されるのが、BtoB(Business to Business)で企業や組織向けにサービス提供するビジネスモデルを指します。
BtoCとBtoBではビジネスの特徴やマーケティング戦略が異なるため、BtoCの特徴を抑えたうえで、MAツール等の選定にも反映することが大切です。
顧客数の多さ
BtoCでは、顧客数/見込み顧客数は非常に多くなります。ビジネスモデルによる違いはありますが、数万~数百万、顧客が幅広いビジネスであれば一千万を超えることもあるでしょう。
一方で、BtoBはBtoCと比べると顧客数は少なくなります。大手企業や行政を対象にサービス提供するようであれば、数百~数千が市場規模となることも珍しくはありません。多くて数万~数十万です。
購買者と決裁者が同一
BtoCの場合、基本的に購買者と決済者が同じです。「子供向けのサービスであれば親が決裁者になることが多い」「住宅や車を夫(妻)が商談しているが、実は決裁者は妻(夫)」といったことはありますが、BtoCはサービスを使う人が、そのまま購買を決めるケースが大半です。
一方で、BtoBの場合は、クライアントは会社や行政、組織です。そのため、購買者と決裁者は異なることが大半です。購買の窓口となるのは、たとえば、人事、総務、法務、情シス、購買といった各部門の担当者になることが多いでしょう。しかし、その人たちが「買いたい」と思っても、社内の承認を得る必要があります。中堅や大手企業になれば、承認までに複数階層の決済を得る必要がありますし、たとえば、人事が使うシステムでも「法務や情シスのチェックが必要」といったことも普通です。
意思決定までの短さ
購買者と決裁者が同じというBtoCの特徴は、意思決定までの期間にも影響を与えます。BtoCは使う人が購入を決めますので、本人が納得すれば購入が決まります。低価格の商品であれば、認知して検討したタイミングで、そのまま購入することも多いでしょう。スーパーで買うものを決める、またスマフォアプリの有料サブスクの契約に、何週間も何か月も悩む人は殆どいないでしょう。
一方で、BtoBの場合は社内で承認を経るために複数のサービスを比較・検討することが基本です。また社内で承認を経るプロセスがありますので、会議のタイミング、承認を経るまでに時間が発生します。複数の部門や担当者が関わる中で、質問や確認点が出てくることも多いでしょう。そのため、初回の問い合わせから契約決定まで数か月、半年や1年かかることも珍しくありません。
使う金額の違いも意思決定までの期間に影響します。一般的にBtoCのサービスは数百円~数万円程度の価格が主流です。一方で、BtoBの場合は商談規模は数十万円~数千万円、大手企業相手のビジネスになれば数億、数十億円の規模になることも珍しくはありません。
BtoCでも車や住宅などの高額商品はありますが、全般的に見ればBtoBと比べれば金額は小さく、一般的に「BtoBとBtoCでは金額感覚が2桁違う」とも言われます。こうした金額の差異も、BtoCの意思決定は短くスピーディーに、BtoBの意思決定は長くなる理由です。
タイミングや接触チャネル、感情訴求の重要性
BtoCの場合、顧客が膨大で意思決定までの期間は短くなります。また、購買者と決裁者が同じですので、極端に表現すれば「サービスに接触・認知した瞬間に『欲しい』と思えば買う」となります。
従って、広範囲なチャネルをカバーし、顧客毎に異なる購買タイミングを掴み、顧客接点を最適化していくようなマーケティング戦略が重要です。また、顧客に『欲しい』と思ってもらうためには感情に訴えかける訴求も有効です。
一方でBtoBの場合、限られた顧客に継続的に情報提供して関係構築していくようなスタイルが中心です。もちろん接触チャネルやタイミング、感情訴求も重要です。しかし、BtoBの場合は、購買者が「欲しい」と思っても、組織内で承認が得られなければ購入されません。組織内でいろいろな立場の人に承認してもらうためには、感情への訴えかけ以上に論理や実績等が重要になってきます。
BtoC向けMAツールで大切な機能
BtoCビジネスの特徴を踏まえ、BtoC向けのMAツールでは以下のような機能が特に重要になってきます。MAツール単体で全てをカバーする必要はありませんが、BtoCマーケティングのシステム基盤を構築するうえで必須となるポイントです。
大量のデータ管理・処理
BtoBビジネスを主顧客として想定するMAツールの中には数十万、数百万といった顧客数は想定していないものもあります。こうした場合、データ数が増えると処理が非常に重く、思うように分析や施策を実行できないケースがあります。最近は顧客データや購買データに加えて、Webやアプリ上の行動データも取得して分析・施策に反映することが増えています。こうした大量のデータ管理・処理が可能であるかはBtoC向けのMAツールを選択する際には重要です。
なお、格納するデータ数によって金額が異なる従量課金型の料金プランを取っているMAツールもあります。BtoCビジネスは、事業が成長すると顧客数が爆発的に増えていきます。将来的な顧客数なども考慮したツール選びが必要です。
外部ツールや販促チャネルとの連携
BtoBと比べると、BtoCの顧客接点は多様です。Webサイト、アプリ、E-mail、SMS、プッシュ通知、アプリ内メッセージ、複数のSNS、Web広告など。また、DMやカタログ、チラシ等のオフライン販促が実施されることもあるでしょう。実店舗があればオンライン接点とオフライン接点をクロスチャネルさせる必要性、さらにジオフェンスなどの位置情報を使ったジオマーケティングなども出てきます。
前述の通り、最近のWebマーケティングは顧客データ、購買データだけでなく、行動データを組み合わせて分析、施策を展開することが一般的です。こうしたデータの取得や分析は、MAツール単体の機能としてある場合もありますが、本格的に実施する場合には専用ツールを使うことが一般的です。
このようにBtoC向けのマーケティングでは、MAツール単体でマーケティング活動が完結することはなく、他の外部ツールや販促チャネルとの連携も必須になります。MAツール単体で実施できる販促手法などの機能充実とともに、連携できる外部ツールの多様さ、外部連携のしやすさといった観点も重要になってきます。
シナリオやコンテンツ作成機能の充実と使いやすさ
BtoCの場合、顧客数が膨大な一方で、各顧客の購買履歴や嗜好性、よく使うチャネルや顧客のタイミングに合わせて、顧客接点の最適化、OnetoOneマーケティングを展開していく必要があります。
これに必要なのが、シナリオ作成と呼ばれる機能です。抽出した顧客のリスト、また見込み顧客の行動やデータ等に併せて、個別のアクション(データに応じたタイミングや販促チャネルでのアプローチ、適したコンテンツの配信など)を自動で実施してくれるのがMAツールで「シナリオ作成」と呼ばれる機能です。BtoCのMAツールでは、データや顧客の行動に応じたシナリオの設定機能、またその使いやすさが重要です
またシナリオに応じて、メール文章や見せたいコンテンツも変わってくることが多いでしょう。従って、顧客に応じてメールに差し込む文章、Webサイトやアプリで見せる画面やパーツを変えるといったコンテンツ作成の機能も重要です。
最近は、シナリオやコンテンツ作成に関してはAIがサポートしてくれる機能を持ったMAツールも増えています。こうした点も確認すると良いでしょう。
BtoCでおすすめのMAツール11選
BtoC企業がMAツールを活用することで、顧客とのコミュニケーションをスムーズに進めることができ、ブランドのファンを増やすのに大きなサポートとなります。
しかし、選択肢が豊富にあるため、どのMAツールが最適か迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、BtoC企業で特に人気の高いMAツールを厳選し、それぞれの特徴やメリットをご紹介します。自社にぴったりのツール選びの参考にしてみてください。
MoEngage

MoEngageは、アプリやウェブ、メール、SMSなどのさまざまなチャネルを使って、顧客とのエンゲージメントを深めるアジアNo.1のMAツールです。
リアルタイムで顧客の行動に合わせたパーソナライズメッセージを配信できるため、適切なタイミングでアプローチできます。さらに、AIによる自動セグメント機能も備わっており、顧客データをもとにAIが自動でターゲットを絞り込んでくれるので、より精度の高いマーケティングが可能です。
メッセージ配信の条件も細かく設定でき、例えば位置情報やデバイスの種類に応じて配信内容を変更することも可能です。ユーザー行動やキャンペーンの効果も多角的に分析できるので、施策の効果測定にも役立ちます。
ノーコード対応のため、特殊な知識を必要とせず直感的に操作できることも重要ポイント。マーケティング担当者の負担も少なく、効率的な運用を実現します。
料金は機能やユーザー数、配信数に応じて異なりますが、MAツールの中ではリーズナブルな部類であり、多くのお客様がROIにご満足いただいている点も大きな魅力です。詳細はお気軽にお問い合わせください。

b→dash

b→dashは、データの取り込み、加工、統合、抽出が簡単に行えるMAツールです。
豊富な機能が一つのプラットフォームにまとまっており、マーケティング施策の一元管理が可能です。
また、業種や業界ごとのKPIやレポートテンプレートが用意されているため、施策の迅速な実行ができます。社内で分散していたデータも一元管理できるので、データ活用がさらに効果的になります。
さらに、企業のニーズに応じて必要な機能を自由に組み合わせられる高いカスタマイズ性も特徴です。
料金は機能、データ量、ユーザー数に応じて異なるため、詳しい情報は直接お問い合わせください。
Adobe Marketo Engage

Adobe Marketo Engageは、オンラインとオフラインでの顧客接点を一元管理できるMAツールです。
メールやウェブ、SNSといったデジタルチャネルに加えて、店舗やDMといったオフラインのチャネルも含めてクロスチャネルでのマーケティングが可能です。顧客の属性や行動データを活用して、タイミングの良いコミュニケーションができるため、顧客エンゲージメントを効果的に高めることができます。
また、導入時の支援や運用中のコンサルティング、トレーニングコースといった手厚いサポート体制も整っているため、安心して活用できる点も魅力です。顧客ごとにパーソナライズされたコンテンツやオファーを提供できる機能もあり、中小企業から大企業まで、成長に応じた柔軟な運用が可能です。
料金は機能やリード数、オプションによって異なります。
KARTE

KARTEは、ウェブサイトやアプリ上での顧客の行動をリアルタイムで分析し、顧客が何に興味を持っているのか、何を求めているのかを即座に把握できるMAツールです。
顧客の行動データや属性に基づき、最適なタイミングでメッセージを配信することで、顧客とのエンゲージメントをしっかりとサポートします。また、ノーコード対応なので、専門知識がなくても施策の設定や変更が簡単にでき、操作性が高いのも大きな魅力です。
さらに、ウェブやアプリ、メール、LINEなど複数のチャネルを一元管理できるため、顧客の状況に合わせた効果的なアプローチが実現します。施策ごとの効果測定も詳細に行えるので、PDCAサイクルを効率よく回すことが可能です。
料金は機能やユーザー数、アクセス数に応じて変動します。
HubSpot

HubSpotは、CRM、マーケティング、セールス、カスタマーサービスといった機能をすべて一元管理できるオールインワンプラットフォームです。これにより、部門間での情報共有がスムーズになり、企業全体で統一した顧客対応が可能になります。
直感的で使いやすいインターフェースを採用しているため、簡単に使い始められるのが魅力です。必要に応じてプランをアップグレードしていく形になります。他のツールとの連携も豊富で、既存システムとスムーズに統合できる点も便利です。
さらに、ブログやランディングページの作成、SEO対策など、コンテンツマーケティングを支援する機能も充実しているため、マーケティング活動を総合的にサポートします。
料金は各機能により異なり、例えばMarketing Hubのプランは月額96,000円〜432,000円と幅広く設定されています。
Salesforce Marketing Cloud

Salesforce Marketing Cloudは、顧客データを活用してパーソナライズしたマーケティング施策を行うためのMAツールで、メール、SMS、ソーシャルメディア、広告など、複数のチャネルで統一したメッセージを配信できます。
AIによる予測分析機能が搭載されているため、顧客の行動パターンを予測して最適なアプローチを提案してくれるのも特徴です。小規模から大規模な企業まで幅広く対応できるスケーラビリティを備え、成長やビジネスの変化に合わせて柔軟に拡張が可能です。
また、顧客データの一元管理機能が強力で、詳細なセグメンテーションやターゲティングが可能なので、個々のニーズに合わせた対応がしやすくなります。
料金は利用する機能や製品により異なりますが、目安としてはMarketing Cloud Personalizationは年間1,080,000円から、Marketing Cloud Engagementは月額150,000円から利用可能です。条件によって異なるため、詳しい料金については問い合わせが必要です。
>>Salesforce Marketing Cloud公式サイト
Synergy!

Synergy!は、日本で開発されたクラウド型のCRMで、メール配信やSNS運用、広告管理といった機能を備えた多機能な顧客管理システムです。
MAツールとしても活用でき、高いセキュリティ対策が施されているため、安心して顧客情報を管理できます。また、シンプルで使いやすいインターフェースを採用しているのも魅力です。
初期費用は11万8千円から。月額2万円で必要に応じて機能を追加できるため、企業の成長やニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。
MOTENASU

MOTENASUは、休眠顧客への再アプローチや成約後のフォローアップを自動で行い、顧客との関係を深めるためのMAツールです。
メール、SMS、LINEなど複数のチャネルを通じて顧客ごとに最適なタイミングでアプローチができ、顧客の好みに合わせた対応が可能です。また、独自の配布物発注システムを備えており、DM送付などオフラインでのアプローチも簡単に行えます。
料金は、初期費用が無料ですが、月額料金は登録する顧客数に応じて変動します。。
GENIEE MA

GENIEE MAは、シナリオキャンバス機能によって直感的にシナリオを設計できるMAツールです。
複雑な設定も簡単にでき、メールやプッシュ通知、LINE、ポップアップ、SNS、アプリプッシュなど、さまざまなチャネルで顧客にアプローチできるため、オンライン・オフラインを問わず効果的に顧客とつながることができます。
また、アクセス状況やメールの開封率の管理、営業アラート機能に加え、AIを活用したスコアリング機能も搭載しており、精度の高い顧客管理が実現します。
料金はトライアル期間が設けられており、月額10万円から利用可能で、有料オプションも柔軟に追加できるため、企業のニーズに合わせた使い方が可能です。
SATORI

SATORIは、匿名のウェブサイト訪問者にもアプローチできるアンノウンマーケティング機能を備え、見込み顧客の獲得を効率化するMAツールです。
リードの創出から育成まで一貫してサポートし、営業活動の効率向上にも貢献します。メール配信やフォーム作成、SNS連携、ステップメールなど多彩なチャネルを駆使し、ターゲットとなる顧客に効果的にアプローチできます。
日本企業向けに設計されているため使い勝手もよく、安定した運用が可能と評判です。
料金は初期費用が30万円、月額148,000円からで、利用状況によって従量課金が発生する場合もあります。
Braze

Brazeは、リアルタイムでクロスチャネルエンゲージメントを実現するMAツールで、アプリ内メッセージ、プッシュ通知、メール、SMSといったさまざまなチャネルを通して、顧客にパーソナライズされたメッセージを届けることができます。
ユーザーの行動データや属性情報に基づき、精度の高いセグメントを作成し、ターゲットに合わせた細やかなコミュニケーションが可能です。また、メッセージの作成は、ドラッグ&ドロップの直感的なインターフェースで行えるため、簡単に設定できます。
さらに、リアルタイムの分析機能とレポート機能によって、キャンペーンの成果を素早く把握し、迅速な意思決定をサポートします。大規模なユーザーベースにも対応可能で、高速かつ大量のメッセージ配信ができるため、スケーラビリティに優れたツールです。
料金は機能やユーザー数、配信数に応じて異なりますので、詳細は直接問い合わせてみてください。
>>Brazeの導入/グロース運用支援はこちらから(NTTドコモグループ)
MAツールを選ぶときのポイント
数多くのMAツールがある中で、どれを選ぶかによって企業のマーケティング成果は大きく変わってきます。MAツールを導入する際には、上述したようなBtoC向けのMAツールで大事なポイントを押さえることに加えて、操作のしやすさ、データの管理、他のシステムとの連携など、MAツールを選ぶうえで忘れてはならない重要なポイントを確認します。

直感的な操作が可能かチェックする
MAツールを選ぶときにまず大事なのは、マーケティング担当者が直感的に操作できるかどうかです。
ツールがシンプルでわかりやすければ、導入してすぐに現場で使い始めやすく、スタッフのトレーニングにかかる時間やコストも大幅に減らせます。MAツールは毎日使うものなので、実際に使うマーケティング担当者が迷わずに操作できるかどうかが重要です。
データ連携がスムーズにできるか確認する
MAツールで顧客データを一元管理するためには、CRMやECサイトなどの外部ツールとスムーズにデータ連携できることが重要です。
データが問題なく連携できれば、顧客の行動や購買履歴などの情報が簡単に収集でき、それをもとに分析や施策に活用できます。顧客の行動に基づいたマーケティング施策もすぐに実行でき、施策の精度も高まります。
顧客情報を一元管理できるか確認する
顧客情報を一元管理できるMAツールなら、パーソナライズした対応が可能になり、より効果的な顧客アプローチが実現します。
顧客の興味や購入履歴に基づいて適切なメッセージを届けることができるため、顧客満足度も高まります。特にオンラインとオフラインの行動データを統合できる機能があれば、顧客の全体像、つまり360度ビューがつかみやすくなり、より的確なマーケティング施策を実行できます。
分析やレポート機能が充実しているかチェックする
MAツールを選ぶときに欠かせないのが、分析機能やレポート機能が充実しているかどうかです。
効果的なMAツールは、各キャンペーンや施策のパフォーマンスを視覚的に表示し、データに基づいた成果をすぐに確認できる機能を備えています。これにより、マーケティングの結果をリアルタイムで把握でき、データに基づく意思決定がしやすくなります。
また、PDCAサイクルをスムーズに回し、改善策を迅速に講じるためにも、分析・レポート機能が優れているツールを選ぶことで、マーケティングを成功に導きやすくなります。
BtoC向けMAツールの導入事例
ここではBtoCのMAツールを導入して成功した事例を2つ紹介します。
スピーディーな施策実施によりCVR最大7倍改善を達成|GRL
GRL(グレイル)は、女性向けファッション通販サイトを運営するBtoC企業です。「9,999円以下で全身揃うファッションブランド」をコンセプトに、プチプラのレディースファッション通販サイトを展開しています。
基本2人の担当でWebマーケティングを担当し、月間で億単位のPVがあるWebサイト/アプリを運営されています。膨大なデータ量があるが故に、データ分析にも時間がかかり、データドリブンな施策がなかなか打てていないという悩みがありました。
その中で、行動分析ツール「Amplitude」とBtoC向けのMAツール「MoEngage」を導入し、データ分析のスピードと、それに基づく施策展開を実現。カゴ落ちや会員登録の施策、新着アイテムや買い忘れのお知らせ、セール品の案内など、MAツールを用いて様々な施策を実施することで、CVRを最大で7倍に改善するという実績を出されています。
1年で約106万人の会員登録、月間アクティブユーザー数(MAU)5倍を実現|ASBeeアプリ
株式会社ジーフットはイオングループの靴専門店事業を担うBtoC企業です。ASBee(アスビー)、Greenbox(グリーンボックス)などのブランドを運営し、全国で622店舗(2025年2月時点)を運営しています。
2024年3月に自社の顧客向けアプリ、「ASBee(アスビー)アプリ」をリニューアルし、そこから1年間でで約106万人(※取材時点)の会員登録と、旧アプリと比べてアクティブユーザー数(MAU)約5倍という成果を出されています。
BtoC向けのMAツール「MoEngage」を導入し、ジオフェンス機能を用いたジオマーケティングにも活用。また、ノーコードで使える操作の容易性も生かして、エリア別のクーポン配信、さらには店舗毎の希望を反映したクーポン配信なども展開しています。MAツールの機能を生かして施策数を増やし、施策結果をもとにした分析を繰り返すことで、高速成長を実現させています。
MAツール導入前に注視すべきポイント
MAツールを導入する際には、ただシステムを導入すればいいというものではありません。
事前にしっかりと目標を設定し、運用体制やデータ管理の準備を整えておくことが、導入後のスムーズな活用や成果につながります。
ここでは、MAツールを導入する前に押さえておきたいポイントについて解説します。

導入前に目標をしっかり決めよう
MAツールを効果的に活用するためには、まず「なぜ導入するのか」「どんな成果を目指すのか」を明確にすることが大切です。
目標がぼんやりしていると、ツールの導入効果を正しく測るのが難しく、どの施策がうまくいっているのかもわからなくなってしまいます。「新規リードを増やしたい」「既存顧客のエンゲージメントを高めたい」といった具体的な目標を設定することで、その目標に合わせたツールを選びやすくなります。
導入前に達成したいことを具体化しておくことで、導入後の運用もスムーズに進み、ツールの効果を最大限に引き出せるでしょう。
運用体制とスタッフ教育
MAツールを最大限に活用するには、導入後の運用体制とスタッフの教育が不可欠です。
ツールをしっかり使いこなすためには、操作方法やデータ分析の基礎をスタッフが習得していることが重要です。特に、実際にマーケティング施策を担当するスタッフがツールの基本操作やコードを理解していないと、せっかくの機能を十分に活用できず、期待される効果も得られません。
また、操作だけでなく、データの見方やPDCAサイクルの回し方についても理解しておくことで、チーム全体のマーケティング力が高まります。
こちらはMoEngageなど、コード不要で直感的に操作できるツールであれば導入はスムーズにおこなえます。
データ管理とプライバシーへの配慮
MAツールは顧客データを扱うため、データ管理やプライバシー保護の対策も欠かせません。
顧客の個人情報を適切に管理し、データセキュリティを万全にすることが求められます。また、顧客データの利用目的を明確にし、必要に応じて顧客から同意を得る仕組みを整えることも大切です。
プライバシーポリシーをしっかりと整備し、法令を遵守する姿勢を示すことで、顧客からの信頼を得ることができます。
まとめ
MAツールを導入することで、顧客管理やマーケティングの効率がぐっと高まります。
ツールを選ぶ際には、操作が簡単か、コードなどの知識が不要か、データの連携がスムーズにできるか、顧客情報を一元管理できるかなどのポイントをしっかりと確認することが大切です。それぞれのツールに特色があるため、自社の目標や業務内容に合ったものを選ぶことで、さらに効果的なマーケティングが実現できます。

1つだけおすすめを挙げるとしたらアジアNo.1ツールのMoEngageになります。機能が豊富でありながらMAツールの中では比較的リーズナブルな部類で、BtoC企業に特におすすめのMAツールです。
アプリやウェブ、メール、SMSといったさまざまなチャネルで、顧客とのリアルタイムなコミュニケーションが可能です。また、AIが自動で顧客データを分析し、ターゲットを絞り込んでくれるので、細かい調整なしで精度の高いマーケティングができるのも大きな強みです。
導入前には、自社が何を目指すのか、どんな成果を期待しているのかをはっきりさせ、運用体制とデータ管理の準備を整えることで、MoEngageの良さを最大限に活かすことができます。MoEngageを活用して、顧客一人ひとりに寄り添ったマーケティングを実現しましょう。
導入についてはNTTドコモグループの弊社DearOneにぜひご相談くださいませ。御社に合った活用法や実際の導入支援、近い業界の事例のご紹介など、あらゆる面でサポートが可能になっています。
