North Star Metric(ノーススターメトリック)とは、企業が長期的なビジネス成長を目指すために設定する最も重要な指標です。この指標は、顧客に提供する価値と事業の成長を両立させるものであり、企業の意思決定や戦略の軸となります。
例えば、以下のようなNorth Star Metricが考えられます。
- Facebook:「月間アクティブユーザー数(MAU)」
- Airbnb:「予約された宿泊数」
- Spotify:「有料会員の総再生時間」
North Star Metricを明確にすることで、チーム全体が同じ目標に向かって意思決定を行いやすくなり、効果的な成長戦略を推進できます。
日本ではまだあまり認知されていない指標ですが、この記事でNorth Star Metricとは何か、必要性について最もわかりやすく解説いたします。ぜひ参考にして、ライバルよりも一歩先を進んでください。
また、日本で馴染みの薄い概念であることから、ワークシート+具体例付きのNorth Star Metricガイドライン資料もご用意させていただきました。以下から無料でダウンロードできますのでよろしければぜひご活用ください!
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ノーススターメトリックとは何なのか、企業がNSMを設定する方法をワークシート付きで解説しています。どなたでも無料でダウンロードしていただけます。
North Star Metric(ノーススターメトリック)とは
North Star Metric(北極星指標) とは、「チームの目標と方向性を示し、成功を計る指標」です。
会社やプロダクトの現状を正確に把握し、短期的な成長だけでなく 長期的な顧客価値の向上 を導くために活用されます。
例えば、大勢の人が乗った船で航海中に羅針盤が故障したとします。方角が分からなければ、力を合わせても正しい方向に進めません。これは、明確な目標がないチームと同じ状況です。

North Star Metricは、チームの成長を導く「羅針盤」として機能し、プロダクトの改善を支えます。
成功するビジネスの共通点は、何よりも 顧客満足 を最優先にすること。North Star Metricは、顧客がプロダクトを通じて得られる本質的な価値 を測定し、ビジネスの成長を可視化します。
この指標を活用することで、チームは顧客体験の向上とグロースハックに集中できるようになります。
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North Star Metricが求められる背景
North Star Metricが求められる背景には、企業の競争が激しくなり、広告費をかけて売上の拡大を狙うことはますます難しくなっていることが挙げられます。
その上、サブスクのような手軽なサービスが普及したことにより、サービス利用のハードルが下がったため、プロダクト改善において、顧客にいかに継続して利用してもらえるかという視点も無視できないものとなりました。
DearOneでは「最高のマーケティングは最高のプロダクトを作ること」と考えています。プロダクトの本質的な価値に気づいた顧客は、そのプロダクトを何度も使用するだけでなく、周囲の人にすすめ、それにより多くの新規顧客がプロダクトを使うという好循環が生まれます。
プロダクト改善のためには、明確な方向性を決めなければなりません。そのためには正確な指標を設計することが何より重要です。間違って設計された指標は、チームを突拍子もない方向に向かわせ、結局、プロダクトの本質的な価値を誤解し、より多くの顧客を満足させられない結果をもたらすことがあります。
North Star MetricとKGI、KPIの違い

North Star Metricが 長期的な顧客成長を導く指標 であることは分かりました。しかし、KGI(Key Goal Indicator:経営目標達成指標)やKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標) など、既に広く使われている指標とどう違うのでしょうか?それぞれの役割を整理して解説します。
KGI(Key Goal Indicator):最終目標
KGIは 企業の最終的なゴール を示す指標です。一般的に 売上高や利益率 などが設定され、経営の成功を測るものとされています。
KPI(Key Performance Indicator):達成度を測る指標
KPIは、KGIを達成するために設定される 具体的な指標 です。施策が適切に機能しているかを評価するために活用されます。たとえば、新規顧客獲得数やコンバージョン率 などが該当します。
North Star Metricとの違い
KGIとKPIは 企業視点 で設定されるのに対し、North Star Metricは 顧客視点 を重視する点が大きな違いです。
North Star Metricは 「顧客がプロダクトを通じて得る本質的な価値」 を測る指標です。これにより、単なる売上増加ではなく、顧客満足度を向上させ、長期的な成長を促すこと を目的としています。
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North Star Metric設計のポイントと具体例
プロダクトによって提供するサービスが異なるように、North Star Metricもプロダクトによって異なる設計が必要です。
この点、North Star Metricを設計する過程は、顧客が製品やサービスの価値を実感した瞬間(アハ・モーメント)を探す過程とも言えます。 顧客がサービスに留まり続けるようにするアクションを正確に把握できれば、それがまさに効果的なNorth Star Metricです。
例として有名サービスのNorth Star Metricをご紹介いたします。

先に述べたように、企業のビジネスモデルの核心は誰が何と言っても「顧客」にあります。North Star Metricは、顧客が私たちのサービスを通じて、価値を得られる行動が何なのか、理解をもとに選定しなければなりません。つまり指標を追跡しながら顧客にできるだけ影響を与えなければなりません。
このような側面から見て「DAU(Daily Active User)」や「加入した会員数」は良いKPIではありません。こういう指標は、それ自体はプロダクトについて顧客が感じる価値について語ってくれませんし、チームが顧客の感じる価値と関係のない指標をNorth Star Metricに設計すると、ビジネス自体が間違った方向に向かう可能性があります。
そしてNorth Star Metricの重要ポイントは、未来の成功に対する先行指標として作用しなければならないということです。
上述のように、月間売上やARPU(Average Revenue Per User:アープ、1ユーザーあたりの平均収益)などの後行指標では、プロダクトが及ぼす影響について予め情報を知らされません。
これらの指標は将来の収益に対する予測よりも、過去にどんなことが起きたのかを教えてくれます。 先行指標であればあるほど、将来により多くの影響を及ぼすことができます。
North Star Metricを設定するための手順をまとめた資料を、以下からダウンロードいただけます。
ユーザーの行動を理解してこそ、良いNorth Star Metricを見つけることができる
「加入後10日以内に7人の友達を追加したユーザーの数」というFacebookの設計からも分かるように、良いNorth Star Metricを見つけるためには、最初にお客様の行動を理解する必要があります。
一般的にはユーザー行動分析ツールなどを用いるケースが多く、例としては3000社以上が導入している行動分析ツールであるAmplitudeのコホート機能などを用い、ユーザの行動を単位ごとに細かく区切った詳細なデータ分析が可能となり、お客様の行動を正しく理解することができます。

また、Amplitudeを活用すると、このようなデータ分析をリアルタイムで素早く楽にすることができるため、データ分析に対する高いレベルの知識がないマーケッターやデザイナー、エンジニアもデータを見ながらプロダクトの改善に力を注ぐことができます。素早い仮説設計と検証が可能なため、グロースハッキングにとても役立ち、国内外で3000社と多くの企業が活用しています。
Amplitudeについて詳しく知りたい方は、こちらより資料のダウンロードが可能です。
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